私が大好きな君を殺すまで

鳥籠の中の少女

なんでこうなったんだろう。私たちは、ただ...
ただ、周りのみんなと同じように普通の恋人になりたかっただけなのに...




苦しい、辛い、怖い、悲しい、痛い。
いつの日だったか、ブツって音がして私の中の何かが切れた音がした。それからは、どんなに殴られても、叩かれても、引っ張られても何も感じなくなった。
母は、私が3歳の時私とお父さんを捨てて出ていった。いわゆる不倫と言うやつだろう。だから顔ももう覚えていない。私は不運にも母親に全てが似てしまった。声も、肌の白さも、茶色い髪色も、色素の薄い目も。それが父は気に入らないのだろう。私を見ると自分を捨てた母のことを思い出してしまうから。私には居場所がない。何度も死のうと思った。だけど、あんな奴でも私はたった1人の家族。
優しい時も少しはある。コンビニのお弁当だけどご飯は1日に一回は必ずくれるし、外には出してくれる。小学校に行かせてもらえた時には賞を取った私の絵を褒めてくれた。
私は信じてた。いつか私の名前を呼んでくれるって。私の話を聞いてもらえるって。ずっと願ってた。あの日、あんなことが起こるだなんて知りもせず。
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