実家に冷遇されたポンコツ地味令嬢ですが、魔術学園で活躍していたら隣国王子の溺愛が始まりました
 カイの手は少し大きくて、しっかりとしていて爪の先まで綺麗だった。

 私は気持ちが高揚していくのを感じる。
 今、私は人生で大切な瞬間にいるような気がした。
 私はカイを見上げた。

「ねえ、カイ」
「ん?」
「私……カイみたいになりたい。カイみたいに堂々として、綺麗で、かっこいい人になる」
「光栄だわ」

 私たちは微笑みあった。
 
 ーー私は目標ができた。
 お母さんのような、自立した女魔術師になること。
 そしてカイのように、キラキラとしたかっこいい女の人になること!
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