【黒・中編・画】桜の葉花ひらひら

16

16
それをボク達は急拵えの喪服は身体がくたびれるやと馬鹿な事を気にしながら『華絵 彼岸花』の件があるから夫婦で葬儀に参加した。
今にも友死にしそうな老人数名ばかりの葬儀の中、みなし子のnezasaとその肩を掴むマサキという余所者陰陽師は若さという異型を放っていた。桜の花はソレの死骸なんだ、緑葉があかさんなんだと笑っ言ってた親友ちゅう秋の言葉を想い出しながら、ボク達夫婦は、涙すらこぼれなかった。
< 18 / 31 >

この作品をシェア

pagetop