【黒・中編・画】桜の葉花ひらひら

18

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ボクはソレに協調せねばなるまいと、おずおずと挙手してから、マサキ陰陽師を取り囲む老人達の輪にはいろうとした。その時、この旅行で、床が変わってよく眠れない胃腸を壊したボクに締め付けるばかりの借り物の喪服はギリっと軋み圧迫し、ボクは何と老人達の輪に近づいただけで、緊張突然頭痛で膝がカっクン、そして何と口もとからえづき、尻からブツまでもよおしてしまった。
あまりにもの羞恥心と頭痛に、気を失う寸前に、妻がボクの名前を叫ぶのと、陰陽師マサキが子供絵師nezasaが申し訳なさそうに頭を垂れていた。何やらの匂いに圧された老人達は散々とマサキ陰陽師から散り逃げた。
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