【黒・中編・画】桜の葉花ひらひら

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その話を親友のちゅう秋にすると、ちゅう秋は奥さんがまだまだ実家なので、だしがらの薄いお茶とお煎餅を振る舞いながらこう言った。
老人達は華絵の争奪戦で、燃え尽き症候群で寿命を縮めただけ。絵の怪異に非ず。そして
横顔は私の様に頭骸骨に皮がついてるだけの激痩せ状態だから……
以後お取り引きはないよ。との人命を芸術の為に晒してはイケない、という戒めなんだと。
ちゅう秋の家の居間に寝転がっていたかつての探偵少年はへぇ~っと、面白そうに起き上がると、だしがらのお茶をぐびっと一気飲みした。
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