憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
8.着々と進む結婚準備





 私の家の両親に翌々日に挨拶に行くことも決まった。

 翌日、不動産を通しての内見に行くことになり、夜に、

「羽倉先生、いきなり一週間休みってどういうことですか? あと、研修医の小川くん、やる気だけは一人前で、すぐ調子乗っちゃいますー」と、仁田先生から電話が掛かってきていた。

 仁田先生の話し声は丸聞こえで、和登さんと離れて座っている私にでさえ聞こえてくる。

 和登さんは少し電話を離しながら、

「仁田先生、いきなり休み頂いてスミマセン。詳しく話したいんで、柳先生と今から印鑑持って会いに来てくれませんか?」

『え? 印鑑?』

「はい、仁田先生と柳先生に婚姻届の証人になってほしくて」

『え!? 婚姻!? 今からかっ飛ばして行きます! 櫻坂の寿司屋に予約入れててください!』

 ウキウキの仁田先生の声が私にまで聞こえてきて、すぐさま電話が切れたようだった。和登さんはすぐに櫻坂にある高級寿司店へと電話を掛け予約を取っていた。


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