憧れの街で凄腕脳外科医の契約妻になりました。
14.凄腕脳外科医の永遠の妻になりました。


 この夜私は、ロマンチックなオーベルジュの一室で、初めて和登さんと体を重ねた。

 和登さんは私の体に優しく丁寧に触れる。誰かと体を重ねることが、こんなにも心地よくて、愛おしいなんて今まで知らなかった。

「まだ体に負担もかけたくないから、優しくする。今日はこれで我慢して」

 身体のことを気遣いながらの、和登さんがくれる、優しくて溶けてしまいそうな快感。

 熱い情熱が注がれたこの日の夜は一生忘れない。





 資産家や大企業の社長が集まる某国大使館のパーティー当日になり、事前に準備していた緑の七分丈のドレスを、赤間さんに着させてもらう。

「亜矢様ウエストが細いので、くびれてとてもお似合いです。花のデザインもかわいいですし、これにして正解でしたね」


 赤間さんはとても嬉しそうに私を見つめた。


「赤間さん、選んでいただいてありがとうございました」

「いえ! 亜矢様にとてもお似合いでしたので。そしてこれは、和登様からの贈り物です」

 赤間さんは私の首に、そっとネックレスを付けた。そのネックレスを鏡越しで見る。目にした瞬間、和登さんがくれた指輪のネックレスと同じデザインだと気づいた。

「なんでも、ベリが丘のイメージをモチーフにしたデザインで、プラチナダイヤが使われているとかで、今週発売されたそうですがすぐに完売だったそうです。朝早くに並ばれて買ったとかで、凄く喜んでましたよ」

 そういえば、今週の月曜日の夜中三時に「今から出てくるね」と、家を出て行ったことがあった。

 赤間さんは、「私にお願いしてくだされば、並んだんですけどね」と、困った顔で『もっと頼ってほしい』と笑った。

 和登さん、ただでさえ忙しいのにわざわざ朝早くに並んで購入してくれたんだ。嬉しくて、申し訳なくて、複雑な感情が入り交じる。

 …………こんなの絶対高い。

「私、和登さんになにも返せてないです」


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