【短編】クールな幼なじみと紡ぐロマン
「……みんなにも、こんなに優しいのかな?」

 ふとそんなことを考えちゃって、モヤッとしたものが胸に広がる。

 私以外の女の子にも、玲衣くんはあんなに優しいのかな?
 他の子にも、頭をポンポンしたりするのかな?

 想像すると、モヤモヤがどんどん()くなっていく。
 イヤだなって思うのは、私が玲衣くんの特別でありたいって思ってるからなのかな……やっぱり。

「あーダメダメ! 今はコンテストのことだけ考えなきゃ!」

 声といっしょに心のモヤモヤを吹き飛ばしてスマホのメッセージアプリを開いた。

【コンテスト用の作品、最後まで書けたよ!】

 玲衣くんにそうメッセージを送ると、すぐに返事が来る。

【お疲れ様! いつもだったら下読みしてからだけど、今回は時間ないから公開してコンテストに応募しとけよ。俺はサイトの方から読むから】
【うん、わかった】

 メッセージを送り返して、私は早速公開ボタンをタップした。
 そのまま応募するコンテストにチェックをして更新する。
 更新が終わると、丁度一件の通知が届いた。

『あなたの【二度目の初恋】が本棚(ほんだな)に登録されました』

 さっそく本棚に入れてくれた人がいるみたい。
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