【短編】クールな幼なじみと紡ぐロマン
***

 おすすめだって言われたレアチーズケーキを一口食べる。
 瞬間(しゅんかん)口の中に広がった酸味と鼻に通ったレモンの(かお)りが(さわ)やかで、ケーキ自体もとけるように消えちゃった。

「うわっすごい」
「本当だ。教えてくれた先輩に感謝だな」

 同じケーキを二人で食べて笑顔になる。

「他にもおすすめあるって先輩言ってたし、また一緒に来ような」
「いいの?」
「もちろん。っていうか、逆に俺一人じゃあこういうところ来れないし」

 確かに周りを見ると女性客の方が多いもんね。

「うん、じゃあ今度は私がおごるね!」

 なんて、ちゃっかり次のデートの約束までしちゃった。

 好きな人とデートして、楽しく話して。
 幸せ過ぎて忘れちゃってたのかな?
 私が小説を書いていることを良く思わない人たちがいるってことを。

 このすぐ後に、それを思い出すことになるなんて……。
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