近寄りがたいキミの愛にリトライします!


「知ったようなことを言わないでもらえる? 南高なんて受かるワケないでしょう? 恥をかくのは由真なのよ?」

「なんで受からないって決めるんですか? それなら双子の妹さんはどうなんです? 今の高校受かりそうなんですか?」

「それは……由真が教えてくれたら……」

 歯切れが悪い返事を返すお母さんに、お姉さんはリビングの机のテーブルをバンと勢いよく叩いた。その音にビックリして、既に帰ってきていたと思われる由衣が二階からリビングへと降りてきて「お母さん、何事?」と、顔を覗かせた。由衣は私とお姉さんを見て苦い顔をする。

「……由真、学校に来ないと思ったら誰?」

「この人は八島くんのお姉さん。今日から由衣の家庭教師をしてくれることになったから」

「……はあ? 八島くんって……あの、由真と同じクラスの八島真人?」

 驚きつつも、顔を赤くする由衣。嫌な予感が私の中に駆け巡った。そして馴れ馴れしくお姉さんに近づき、「初めまして、由衣といいます」と挨拶をしている。

 そんな私達を見て、お母さんがお姉さんに「家庭教師って、由衣には由真がいるので結構です!」とお姉さんに断っているが、等の由衣は「私、八島くんのお姉さんに教えてもらいたい」と、お姉さんに勉強を見てもらえることに喜んでいた。

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