何度でも、君に永遠の誓いを〜若きカリスマ帝王の真愛〜
プロローグ
__べリが丘。

世界中のセレブが集まる、格式高い街。近年では、新たな事業開発がされ、注目を集めている。老若男女問わず、誰もが憧れるこの街には、カリスマ帝王と呼ばれる、一人の男がいた。

シャワーを終えると、つけていたテレビから、アナウンサーの溌剌とした声が聞こえる。

〈オーナーを務めるグランド・ドールは、今年で一周年を迎えますが、これまでを振り返っていかがですか?〉

アナウンサーの質問に、カメラは一人の男性を捉える。容姿が整ったその男性は、組んでいた長い足を組み変えると、次にように話し出した。

〈そうですね、長いようで、あっという間に感じます。これまで支えてくれた社員達には、感謝してもしきれません。これからも、このベリが丘に世界各国のお客様をお迎えできるよう、精一杯頑張ります〉

柔和な笑みを浮かべる男性。
自分に笑いかけられているわけでもないのに、ドキッとしてしまう。

マグカップに入った白湯を飲みながら、ぼーっとテレビ画面を見つめていると、ふと視界に入った時刻表示に悲鳴を上げる。

「やばっ!」

私は椅子から立ち上がり、大急ぎで支度を済ませると、忙しなく家を出た。
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