何度でも、君に永遠の誓いを〜若きカリスマ帝王の真愛〜
第四章

欲しいのは四文字の言葉

暁side

ベリが丘に住む一ノ宮と聞けば、誰もがあの外交官一家の一ノ宮家だと分かるだろう。古き良き伝統を重んじ、恋人や友人よりも、家族を第一に考える。それこそが一ノ宮家のしきたり。だが、俺の親友は、時に友人を第一に考える。

__スウェーデン国大使館。

「どうだ、目星はついたか?」

「いや、どいつもこいつも、上っ面が良いせいか、なかなか本性を表さない」

「でも、ここにいる人たちが何も知らないのは、あり得ないからな」

それとも、先手を打たれて、すでに父に金で買収でもされているのか。あいつは用心深い男だ。そうしていてもおかしくはない。

父の裏カジノの証拠を見つけるため、ルイが俺に提案したのは、日本国の中枢を担う、外交官との交流。パイプ役をしている彼らと接触すれば、国外で起こっている裏の出来事の情報を得られる。すなわち、裏カジノの情報も得られると言うことだ。

ルイの親父さんは、スウェーデン国大使館の大使。将来のために人脈を作るのに、パーティーをしたいというルイの申し出に、親父さんは快く了承してくれたらしい。

今回の情報集めも、いつものようにルイに任せることもできるが、外交官とは無縁の俺が、彼らと接触した方が、逆に怪しまれず、話を聞き出せる。それに、父がルイに目をつけた今、一人で行動させるのは危険だと判断した。

どうせ、何をやっても言われる人生だ。ならば、存分に不動の名を使ってやろうじゃないか。

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