何度でも、君に永遠の誓いを〜若きカリスマ帝王の真愛〜
大きな手が、私の頭を撫でる。

「お互い、泣いてばかりだな」

大雑把な撫でかた。でも、すごく温かくて、__優しい。

「樹里愛」

暁さんは私の手を握って、真剣な眼差しを向けてきた。

「俺は最後まで父と戦う。君との未来を生きるために」

「戦うって……そんな状態で……」

『片時も、樹里愛ちゃんのそばを離れなかったんだよ』

眠った私に付き添って、ずっと看病をしていてくれていたと、ルイさんが言っていた。

私のこともあって、疲れているのに。

「それに、これ以上、何かすれば、あなただって危ない」

彼を信じていないわけじゃない。でも、もし暁さんに何かあったら、私は耐えられない。

「危険なことはしないと約束する。だから、片をつけさせてくれ」

強い眼差しに、私は首を横に振ることは出来なかった。彼が覚悟を決めていることが、分かってしまったからだ。

「分かった」

暁さんは私の体を引き寄せると、折れた腕を庇いながら抱きしめた。

……ああ、久しぶりだ。この感じ。全てを預けてしまいたくなるような安心感。

この腕の中が、私の居場所だと言っている。

「一つ、頼みたいことがあるんだ」

胸元から顔を離し、暁さんを見上げる。

「うん、なんでも言って」

暁さんからの頼みに、私はすぐに頷いた。
< 171 / 198 >

この作品をシェア

pagetop