何度でも、君に永遠の誓いを〜若きカリスマ帝王の真愛〜
着替えてリビングに行くと、キッチンには本田さんがいた。

「おはようございます。奥様」

「おはようございます」

奥様。その呼び名にはまだ慣れない。
本田さんは不動家の使用人で、暁さんにとっては母親代わり。私がこのペントハウスに来てから、身の回りのお世話をしてくれている。

テーブルの上には、二人分の朝食が用意されていた。

うわあ……今日も美味しそう……!

真っ白なお皿には、こんがりと焼けたパンや、みずみずしいフルールがぎっしりとあって、朝からなんて贅沢なんだと思った。

「お飲み物はどうされますか?」

「あ……」

ちらっと暁さんを見ると、彼はコーヒーを飲んでいた。

ワゴンの上には、オレンジジュースやブドウジュース、スムージーらしいものもあったけど、ここは私も大人っぽく、コーヒーを飲もう。

「コーヒーをお願いします」

席に着くと、すぐにコーヒーが出された。私は早速コーヒーを一口飲む。

「うっ」

苦い……コーヒーって、こんなに苦いの?

「お砂糖をご用意いたしましょうか」

顔を顰める私に、本田さんは言う。

「いえ、大丈夫です」

大人はブラックを飲むものだと、私は変な固定概念を持っていた。

気を取り直して、オムレツを食べる。

「んんっ〜」

ふわふわのオムレツに、思わず声を漏らしてしまう。ハッとして前を見ると、暁さんは、口の端を上げて笑っていた。

「お口にあって何よりだ」

少し小馬鹿にしたような言い方だったが、美味しい料理を前に、腹を立てることはなかった。
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