何度でも、君に永遠の誓いを〜若きカリスマ帝王の真愛〜
第二章

波乱の結婚生活

樹里愛side

__夢を見た。
お日様の香りがする家で目を覚ました私は、階段を降りて、リビングに向かった。テーブルでテストの採点をするお父さん。ペンが紙を滑る音が心地良い。すぐ横のキッチンで、ご飯の支度をするお母さん。お味噌汁の良い香りがする。二人は私に気づくと、優しく微笑んでくれた。三人で食卓を囲んで、お母さんが作ってくれたご飯を美味しいねって、お腹いっぱい食べて笑い合ってる。それだけで、私は幸せだった。
ずっとここにいたい。これからもずっとずっと、二人の傍に……

タイマーが鳴って、私は現実に引き戻された。

……夢か。

枕に顔を埋めたまま、手探りで携帯を探し、タイマーを止める。上体を起こすと、リビングから人の気配を感じた。

自室を出て、リビングを覗くと、暁さんの姿があった。

帰ってきてたんだ……

ここ最近、暁さんは家に帰ってこないことがほとんどだった。水島商事の社長に就任した暁さんの毎日は忙しないようで、たまに家で顔を合わせたかと思うと、すぐにどこかへ行ってしまう。

昨日は、日付が変わる時間まで起きていたけど、その時間までに、暁さんは帰って来なかった。

いつ帰ってきたんだろ。

「起きたか」

椅子に座って新聞を読んでいたはずの暁さんが、いつの間にか私を見ていた。

「お、おはようございます」

びっくりした……

「話があるんだ。朝食を食べながらどうだ?」

「は、はい」

「じゃあ、着替えたら来てくれ」
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