【コミカライズ原作】Re:活 前略旦那様 私今から不倫します
あまり深くは聞いていないが、父親が愛人のもとへ出て行ってしまって、辛い子供時代を過ごしたのは聞いている。
自分はそんなことはしない。
ただの一時の火遊びで沙羅の父のように家庭を捨てる気などなかった。
ベッドに並んで座る。
「なぁ、沙羅。なにを怒っているのかわからないけど、俺はやましいことはしてない」
「だから私はなにも言ってないでしょう」
「怒ってるじゃないか」
「……」
「山口さんは前に妻が仕事をしている店がとてもいいらしいって話題に出したから、店に興味があっただけだと思う。それに彼女には婚約者もいるんだよ」
「婚約者……?」
「そうだよ。もうすぐ結納だっていうから、結婚式のブーケでも見に行ったのかもしれない」
ここまで不機嫌になるからには、他にもなにか疑う事情があるのかもしれない。
「ごめん。沙羅が不安になるなにかがあったんだな?」
「バーのレシートを見たの。女性しか飲まないようなカクテルがあった。それからメッセージカードも」
決定的な証拠でないことにほっとしつつ、レシートの件は迂闊だった。メッセージカードは鞄の奥に入れてすぐに処分したつもりだ。疑っていなければ鞄の中を見ることはない。
「山口さんが婚約する前に、どうしたらうまくいくか相談されたんだよ。男の気持ちがきいてみたいって。二人で飲んだのは悪かった、もうしないから。メッセージカードはただ出張先での接待の料理が楽しみって話で」
「……そんなふうに思えない」
「本当に仕事だよ。部下の田中に聞いてくれ」