【コミカライズ原作】Re:活 前略旦那様 私今から不倫します
──誠は私を裏切って、私は私で別の人に心を奪われている。
それは母が願った平穏な家庭からはほど遠い歪で歪んだものだった。余命わずかな母にとてもじゃないが、そんな事情を言えるわけもない。
──心配させるわけにはいかない。誠とのことは隠し通さないと。
病院を出ると、辻村から電話がかかってきた。
「もしもし。どうかしましたか」
「いや、有給とって病院行くって言ってたから気になって。あと声が聞きたくなった」
本来なら人妻に言うべき言葉ではない。公園でキスをしてから、辻村はもう沙羅への好意を隠そうとしなかった。
そのことに戸惑いつつ救われている自分がいる。
寂しいから、優しくしてくれる人にすがりたいだけだとわかってはいても、もう自分の気持ちが止められなかった。
──もう駄目。頑張れない。
おさえていた感情が溢れて、言葉にならず声を押し殺して泣く。
「今どこ? 迎えに行く」
誠からも今日は早く帰るから話そうとメッセージが来ていたが、無視した。
父の浮気が最初に発覚した時、母は許した。いや許した振りをした。
けれど、寛容さは一度冷めた愛情を温めなおすことはできず、結局父は出ていった。
許したふりをして一緒に暮らしたら、きっと自分の心は本当に壊れてしまう。