【コミカライズ原作】Re:活 前略旦那様 私今から不倫します
「話し合わなきゃいけないんだけどね」
もしかしたら不妊治療以前の問題なのかもしれなかった。
誠が検査に難色を示してから、なんとなく治療のことを言えなくなっていた。それに最近やたらと帰りが遅いのも、沙羅をどこか避けているような気がしなくもなかった。
「家族になると、難しいとこはあるけど。沙羅、暗い顔してないでさ。私このあと美容室予約してるから一緒に行こうよ。多分空いてるからさ。自分に手をかけて大事にしてあげることも大事だよ」
真帆の夫の愚痴などを聞いた後、半ば強引に美容室へ連れていかれた。
「うん。うん。キレイ。20代の時にはなかった色気もあるし、まだまだ女ざかりよねぇ。私たち」
思わず吹き出しそうになるが、真帆のこういうところが好きだった。気分を明るくさせてくれる。
「自分たちで褒め合うしかないわね」
伸ばしっぱなしの黒髪を明るくして、パーマまでかけると、確かに心も足取りも軽くなる気がした。二人でけらけら笑いながら、買い物も楽しんでいると学生時代を思い出す。
最近はもっぱらおしゃれをして遠出をすることも減ったから、いつもは着ないような華やかなワンピースを買う。