【コミカライズ原作】Re:活 前略旦那様 私今から不倫します
「はー、充実した一日だった」
「でしょでしょ。沙羅は真面目すぎるからたまには羽目を外さないと息が詰まっちゃうよ」
小さな花束でいいと思っていたのに、つい欲張って大きなものを買ってしまった。切り花が美しいのはわずかな時間だが、その間は大切にしようと思った。
最後に花を刈って帰ろうといい、店内を見て回っていると声をかけられた。
「あれ、真帆ちゃん。来てくれたんだ」
驚いて振り向くと、辻村裕也がいた。経営者だからいてもおかしくないけれど、会うことはないと思っていたから驚いた。
真帆と違って、沙羅は辻村と会うのは十年ぶりだ。
すっきりとした上質な白いコットンシャツに、デニムといういたってラフな服装なのに、長い手足と整った顔立ちのせいで、とても垢ぬけて見えた。
学生時代から変わっていない。というより年を取ったぶん、渋みが出て一層魅力的になっていた。
「飯村沙羅さん?」
旧姓で呼ばれ、覚えていてくれたことに驚く。
「お久しぶりです」