【コミカライズ原作】Re:活 前略旦那様 私今から不倫します
中庭から、僧侶たちが祈りの声が聞こえてくる。
沙羅は、その場の雰囲気に圧倒されながら、ユカの隣で静かに目を閉じ、祈りに耳を傾けた。
ふと見ると川でなにかを燃やしている。
「あれは?」
「火葬場があるの。焼いたら川に流すんだ。輪廻転生を信じて」
そう言って一人で川のほうへ歩いて行ってしまう。
ユカが首につけている小さなネックレスを外した。よく見るとガラスの小さな瓶で、中に白い粉が入っている。
蓋を開けて、その中身を川に撒いた。
流れていく川の水をユカは、静かにただじっと見つめている。
なんだか声をかけてはいけない気がして、黙ったまま見守る。
ホテルに戻ったユカがポツリと呟いた。
「さっきの白い粉、元カレの骨なんだ」
「うん」
特段驚かなかった。こういう場所ならなにが起きてもおかしくないようなそんな気がした。
その悲しげな横顔を見守り、ユカはもしかして、誰かに傍にいてほしかったのかもしれないと思った。その誰かになれてよかったと、そう思った。
「私が学校行けなくなった時に、ネットで知り合ってずっと付き合ってたんだけど、病気で死んじゃったんだよね。あんまり寂しくて、火葬場から戻ってきた時に少し失敬したの」
「そう」
「引かないんだね。沙羅さん常識人なのに」
ユカにとって、弔いの旅だったのだ。
「彼は色々な国に行きたがってた」
どうしようもなく不器用で見方によってはグロテスクな行為でも、沙羅は咎める気になれなかった。
「常識的に生きてたら幸せかっていうとまた別だから。そこまでひたむきに愛されて、彼も幸せだったと思う」