幽霊になったあの日から恋をして

まるで恋人?

本当にいないじゃないの。
でも屋上に行けば会えるかしら。
海に会うべく屋上に行く。
「あ、やっぱりいた。」
「来たんだね〜暇なの?」
「なわけないわ。部活も委員会も、休みだもの。」
それよりも海は何組か聞いてしまえば楽になるかもしれないわね。
「海は何組なの?」
「えぇ〜言ってもいいけど、わからないと思うよ?」
「とにかく早く!言って!」
「えぇ〜やだ〜」
何なのよこいつ!本当ムカつくやつね。
「な、なんで嫌なのよ。」
「いじりがいがなくなるからヤダ〜」
「いじるものじゃないんだけど?!」
「ま〜ま〜落ち着いていて〜」
ぐぬぬぬぬ...何なのよ
「それじゃあ、彩ちゃんのお家についって行ってもいいなら言うの考えるかな〜」
「えっ!本当!」
「あ...う、うん」
「家の中は入れないけどいいかしら?」
私の場合は許されないのよね...
「うん。平気だよ〜」
そうして一緒に帰ることになった。
「彩ちゃんのお家ってどこらへんなの〜?」
「行くんだからわかるでしょ。」
はぁ。めんどくさいわね。
「言わなきゃクラス言うの考えるのやめるぞ!」
「うっ...仕方ないわね。」
こいつ...本当にムカつくやつ
「えっと、幽恋(ゆうれん)の1丁目よ。」
「おぉ〜僕の家にちか〜い」
確か...うん。そうね。
「もうそろそろよ。」
そう言い後ろを振り向き前を向こうとしたら...
目の前に...
「彩ちゃん危ないっ!!」
「えっ?!」
グイッと後ろに引っ張られる。
「はぁ良かった。怪我してなく、て...?」
私の視界がぼやけていく。
「彩ちゃん?なんで泣いて?!」
「あっ、ありがとっ、うっ、うぅ」
「...っ」
涙が溢れてとまらない。
「ありがとうっ...」
「...っ、怖かったね...。」
「うっ、うんっ。」
そうしてしばらく泣いていたら。
「落ち着いた?」
「うん。ありがとう。」
恥ずかしいところを見せてしまったな。
「あの、今の事その、忘れて欲しい。」
「あっ、うん。」
なんだか海の顔が赤いような...?
「は、早く行こっ」
「え?あ、うん」
そうしてなんだか気まずい空気と恥ずかしい空気が混じっている中私の家についた。
「はい。私の家よ。」
「お、おぉ。大きいね。」
「でしょ。大き過ぎて部屋が余ってるくらいなの。」
「すごぉ」
「...」
「それじゃあ、帰ろうかな〜」
あ、もう帰るのか...
「...?あの~ずっと見てるけどなんかついてる?」
「い、いや。なんでもない。」
「...?バイバイ」
「バイバイ」
さ、さっきなんで私、海が帰るって言ったとき寂しがってたんだろう...。
それよりも早く帰ろう。
これが私の小さな成長のことに今の私は気づかなかった。
< 3 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop