幽霊になったあの日から恋をして
私の心の黒いとこ

私は...

「ただいま帰りました。」
何も返事は帰って来ない。
当たり前か。私は...。
逃げよう。早く自分の部屋に逃げよう。そう思ってドアノブに手を掛けたとき
「ママ〜ただいま〜」
っ!夢華...
夢華の、明るい声が響いた途端、走る足音が聞こえた。
「おかえり〜夢華〜」
あ、足が動かない...まだ見つかってないからいいけど...
会話はすべて聞こえてくる。
「あら?夢華可愛い髪の毛が、ボサボサよ。」
「えっとねママと、パパに早く会いたくて走って帰ってきちゃったんだ。」
「あらまぁ。なんて可愛らしい言い訳なの〜」
い、良いな...夢華は、自分の親を誇らしく言えるなんて。
「さ、可愛い髪の毛が台無しだから、お風呂に入って来なさい。」
「ふふっ。ありがとう!ママっ!」
「...」
一気に静かになる。その静かさが表している。私には愛などないのだと。
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