衝撃サイダーマン
ちょっと遅めのお昼は特上のお寿司になった。
「あ、今朝っていうか夜中にお爺ちゃまから電話がきてね、星夜のお嫁さんに会いたいから明日?今日?の飛行機でお婆ちゃまと2人で来るらしいわよ。」
「え!!お嫁さん!………星夜さん…どうしましょう……」
「大丈夫だ!爺ちゃんと婆ちゃんにも事情を話せばわかってくれるから」
「檸檬ちゃん、心配要らないわよ〜」
「はぁ…わかり…ました…」
「檸檬、女優のつもりで頑張ろう」
「あ、ハイ」と返事をしたものの…擬装恋人→婚約者→お嫁さん? どんどん格上げされているような気がしている檸檬だった。
ママさんはご機嫌でお寿司を食べている。
星夜さんは何か考えながら食べいるみたいだし、私はどうすれば良いのか…
特上のお寿司の味も良くわからない感じだったし、考えながら食べてたはずの星夜さんは自分のウニを私の桶にいれて私の桶からイカを取って食べた。
その動作が小学生みたいで可愛いと思った檸檬。
会社では【サイダーマン】でダサ男だと思っていた人だったのに……
まさか、家族ぐるみでこんな状況になり【サイダーマン】は御曹司でイケメンで…擬装とはいえ婚約者?にまでなってくれた星夜さん。
今までこんなにプライベートな話しをした事も無かったから会社のイメージがどんどん崩れてて、信頼して頼れる人に変わった。
一緒にいても、こんな風に一緒に食事をしても星夜さんの隣りは心地が良い。
「母さん、冷蔵庫にサイダーある?」
「う〜ん。多分奥の方に1本くらいあるかな?探してみて」
「檸檬はジュースとかいる?」
「いいえ、この日本茶で大丈夫です」と檸檬が答えると頷いた星夜さんはキッチンの冷蔵庫へ向かった。
ニコニコしてサイダーを持って戻ってきた星夜さん
「やっぱりご飯の後はサイダーに限る!ハハ」とサイダーのペットボトルをプシュと開けてゴクゴク飲み始めた星夜さん。
「ご飯の後のサイダーって〜本当に星夜はアメリカで変なこと覚えちゃって〜」
「サイダー飲むと頭もスッキリしてやる気出るんだよ」
「サイダーばっかりだと太るわよ」とママさん。
ママさんの言う事も気にせずサイダーを飲み干した星夜さん。
「ご馳走さま。美味かった。ちょっと兄貴に電話してくるわ」
「ハイハイ、何時頃帰って来れるか聞いて〜
そしてお爺ちゃまとお婆ちゃまの事も北斗は知らないと思うから伝えておいて〜」
「うん、わかった」と言ってダイニングから出て行った。