衝撃サイダーマン

「婆ちゃん、ちょっと強引過ぎないかぁ?」と北斗が言うと

「こうでもしないとあの2人はお互いを思いやってばかりで話しが進まないわ!」

「確かに、檸檬ちゃんも遠慮して星夜の言う通りにしちゃいそうよね〜パパ」とママさんが不安な顔付きで言うと、パパさんも頷いた。

「星夜は檸檬ちゃんの事は真剣に考えてると俺は思う!
アイツも戸惑ってるかもな〜
もし婆ちゃんが檸檬ちゃんをアメリカに連れて行ってトムと会わせたのを知ったら、慌ててアメリカへ飛んで行くんじゃないの?」

「あの〜そのトムさんとせいちゃんはどんな関係なんですか?」とお母さんが質問すると

「トムは中学からの友達? 悪友?っていうか…
トムは星夜のモノを横取りするような子でね、でもトムにとっては星夜への愛情の表れ方というか…
だから、檸檬ちゃんを星夜の婚約者って紹介したら、トムは檸檬ちゃんを無条件でゲットしようとするわね! ふふふ」

「でも、もし檸檬がそのトムさんになびく事もあるのでは?……」とお父さんが言うと

「いいえ! 檸檬ちゃんは星夜を信頼しているのが、今日の食事会でわかったから大丈夫よ。
三谷さんご夫妻にはハラハラドキドキさせてしまい申し訳ないのですが、
生い先短い婆の言葉を信じてもらえませんか?」

お父さんとお母さんは顔を見合わせて頷き、

「……ハイ。分かりました。私どもは黙って見守る事に致します。」とお父さんが答えた。
< 98 / 243 >

この作品をシェア

pagetop