彼をその気にさせる方法~ヤツと私の甘恋戦争。そう簡単には勝敗つきません~
「まあ、璃子的には恋愛すれば心が震えるのが分かるって考え…か…と」

最後はモニョってしまい目を逸らすようにカシスオレンジにちょびっと口付けた。

「頭の中お花畑なんじゃない?」

言いたい事は分かる。
自分でも無謀な戦いを挑んでるのも。

「いや戦いの真っ只中です!」
「お前本当にアホだな」

冷水…ううん氷水をぶっかけられた気分。

恋…ホントはもうしてる。
震えるまでは分かんないけど恋心は3年温めて来た。

ーー私には時間も余裕も無い。

そんな時はー!
ちゃんちゃかちゃんちゃん♪
経験豊富な人に頼むマシーン!!

青い二頭身の猫型ロボット風に思ってはみたけど口には出さない。
今もムッとしてるのにタイムマシーン風に言った所で笑うわけも無いから。

「試してどうこうなるもんなの?」

細く長い指でネクタイをクイッと緩め仕方なさそうに書類に目を通す。

「そんなの試してみなきゃ」
「分かんないの?」

またバカにしたように私の言葉を全返ししてくる。

「分かんないか…が、分かんない」

仕事の時のように「了解」で済むと思ってたのに意外に難易度高くて自信が無くなってきた。

「だって誰とでも出来るでしょ?」

「あのな〜、俺を獣みたいに言うな」

来る者拒まずはこの男の代名詞。

「私じゃ出来ない理由は?」

一息ついて方向性を変えてこの男を打破する糸口を探り探りで質問してみる。

「色気がない。若くない。処女が面倒。あと」
「あ、もう結構です…。心が痛い」

これ以上言われるとダメージが凄い。
これを思い返しながら今日はうなされそうな気がする。

「泣き落とし?笑えるからやめとけ」

本当にこの男は最低だ。
まあ頼んだのは私だけどそこまで言う事なくない?
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