世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「フリなんかじゃない。私には幸せになる自信がなかった。幸せになっても、突然また不幸になるんじゃないかって。いつも何かに怯えてて」


「何よ、それ」


「でも、私、一生懸命自分の夢を追いかけてるもみじちゃんを尊敬してたし、いつも励まされてた。なのに……」


「私は仲良しのフリをしてたの。あんたをこの家に縛り付けて、不幸な姿をずっと見ていたかったから。私よりみじめなあんたをあざ笑いたかっただけ」


「ひどい。もみじちゃん、ひどいよ……そんなの……」


「甘いよ。ほんと、甘くて嫌。マジ、ウザ過ぎる。もういいからさっさと私の前から消えてよ! ほら、消えてって言ってるでしょ!」


叫びながらヒステリックに泣くもみじちゃんに、私は何も言えなかった。


夢中で1階に駆け降り、慌ててキッチンで水を飲んだ。ぐちゃぐちゃになった心を落ち着かせなければ、私だって泣き叫びそうだったから。
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