世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「誰にだって幸せになる権利はある。もみじさんにはもみじさんの幸せがあるんだ。でも、それは自分で掴まなくてはならない。双葉を恨むなんて、大間違いだ」


「……でも私には何もない。幸せになんてなれない」


「君には君の生き方、そして、相応しい相手が必ずいるはずだ。今は心穏やかに好きな小説を書きながら、ゆっくり考えてほしい。もみじさんにはたくさん応援してくれる人がいるんだろ? だったらその人達のためにどんどん物語を生み出してほしい」


泣き崩れるもみじちゃんの背中に手を差し伸べると、少し震えてた。
私にもわかる。


自分なんか幸せになれない――


幸せになる権利さえないんだと、自分を戒め、小さな暗い世界に全てを押し込めた。


だけど、そうじゃない。
必ず、誰だって幸せになれるんだ。
幸せになっていいんだ。
ほんの少しだけ心を解放して、前向きになれれば、きっと見たこともない新しい世界が待っている。


すごく時間がかかったけど、今、ようやくそれがわかった気がした。
理仁さん、結仁。
そして、もみじちゃんのおかげで――
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