世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
「常磐さん……」


「俺は近々、海外に行く。向こうの経営に数年関わるためだ。その時、君を婚約者として連れていきたい」


「そんな大切な時に、私が何かの役に立てるとは思えません。ごめんなさい……」


この人と一緒にいれば幸せになれるかも知れない。
理仁さんにすれば、私の借金なんて何の痛みもなく一瞬で返済できる。私の夢だって簡単に叶えられる。
だけど、常磐グループの御曹司との結婚なんて、やっぱり……もみじちゃんの小説と同じで、現実には有り得ないんだ。


私は、決して、甘い夢を見てはいけない。
だって、この私が『女神』のわけないんだから。


今日1日が、人生で1番素敵な日だったことは間違いない。まるでお姫様みたいな時間だった。
でも、魔法は必ず解ける――
それが、今、この瞬間。


理仁さんの温もりが残るこの体。
情熱的なセックスはただの思い出。
私は明日からまた……
いつもと同じ日常を送る。
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