世界で1番幸せな私~イケメン御曹司の一途で情熱的な溺愛に包まれて~
幸せになってほしくて~朱里side~
「いらっしゃいませ」


「えっ!」


あまりの驚きに声が出てしまった。


「お久しぶりです」


「理仁君じゃない! まあ、久しぶりね~。お帰りなさい」


お母さんの驚いた声が「灯り」の店内に響く。
私も同じだった。


「理仁さん、日本に戻ってたんですか?」


その質問にニコッと微笑んでうなづく理仁さんは、相変わらずキラキラオーラを体中にまとっていた。


カウンターに座り、食事をする理仁さん。
あっという間に店中が華やかな雰囲気に変わった。


話を聞くと、1週間前に戻ったらしい。約3年ぶりに、ここに立ち寄ってくれたことが嬉しかった。


だけど、私の心は少し複雑。
結仁が生まれてしばらくしてから、父親が誰なのかを聞かされた。もちろん、私もお母さんも、理仁さんだとわかっていたけど。


双葉は、もし理仁さんが戻っても、結仁のことは絶対に言わないでほしいと懇願した。今、せっかく結仁の父親が目の前にいるのに、何もできないことが悲しかった。
< 83 / 192 >

この作品をシェア

pagetop