シュクルリーより甘い溺愛宣言 ~その身に愛の結晶を宿したパティシエールは財閥御曹司の盲愛から逃れられない~
 母の優しい言葉は、同じ状況の私を優しく包む。
 けれど同時に、そんな母の子どもとして、本当に申し訳ないと思う。

「だったら私は親不孝だね。私の幸せも、お母さんの幸せも奪っちゃった……」

 不甲斐ない。
 女手一つで育ててくれた、大好きな人の想いまで背負って育ててくれた母に、どうしょうもない気持ちでいっぱいになる。

 それなのに。

「そんなことない」

 母の凛とした言葉が、耳に響いた。

「希幸は、慧悟さんを好きになったこと、後悔してる?」

「うん……」

 後悔しているどころじゃない。
 捨てなければならない気持ちを捨てられなかったことを、ずっとずっと引きずっている。
 だからこそ、こんなことになってしまったのだ。

 好きになっては、いけなかった。
 それなのに。

「好きって気持ちを、後悔してるの? お腹の赤ちゃんなんて、いない方がいいと思う? 心の底から、そう思う?」

 母はまたうつむいてしまった私の顔を覗き込んだ。
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