シュクルリーより甘い溺愛宣言 ~その身に愛の結晶を宿したパティシエールは財閥御曹司の盲愛から逃れられない~
*
あの日から、私は変わってない。
奥様にあんな忠告をされてもなお、変わっていないのだ。
「まあ、あの門の守衛さんのせいですぐに屋敷を抜けだしたのはバレて、迎えが来たんだけどね」
言いながら、近くの岩場に慧悟さんが腰を下ろす。
その高級なスーツが汚れてしまうと思ったけれど、それを彼は厭わなかった。
それから、慧悟さんはハンカチーフを胸元から取り出す。
隣の岩場に敷くと「座りな」と優しく手を引いてくれた。
「ケーキもマカロンも、本当に美味しかった。希幸はこんなに成長したんだなって思った」
「ウェディングケーキを作る約束ですから」
二人で静かな海を見つめる。
潮風が強く吹き付けて、冷たい。
けれど、私たちの気まずい沈黙には、波の音はちょうどよかった。
あの日から、私は変わってない。
奥様にあんな忠告をされてもなお、変わっていないのだ。
「まあ、あの門の守衛さんのせいですぐに屋敷を抜けだしたのはバレて、迎えが来たんだけどね」
言いながら、近くの岩場に慧悟さんが腰を下ろす。
その高級なスーツが汚れてしまうと思ったけれど、それを彼は厭わなかった。
それから、慧悟さんはハンカチーフを胸元から取り出す。
隣の岩場に敷くと「座りな」と優しく手を引いてくれた。
「ケーキもマカロンも、本当に美味しかった。希幸はこんなに成長したんだなって思った」
「ウェディングケーキを作る約束ですから」
二人で静かな海を見つめる。
潮風が強く吹き付けて、冷たい。
けれど、私たちの気まずい沈黙には、波の音はちょうどよかった。