強面騎士団長に離婚を申し出たら、私を離したくないってソレ本当ですか!? ~転生聖女は推しをヒロインルートに戻したい~
「待ってください! 今、私のことを宝物と、私を離したくないと、そうおっしゃいましたか? それは本当ですか!?」

 彼女はひどく驚き、慌てている様子だった。

「本当だとも。白状すると、初めて言葉を交わした二年前から俺はずっと君に惹かれていたんだ」
「……二年前?」

 もしかすると、これ以上浅ましく想いを告げることで、彼女の心が一層俺から離れていってしまうかもしれない。だが、想いを伝えずに後悔することだけはもう、したくなかった。

 俺は覚悟を決めて口を開いた。



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