年上幼馴染の一途な執着愛
「ちょっと、コーヒー飲もうよ」

「んー、でもちょっと充電したいから」

「……わかった。ちょっとだけね」


熱々のコーヒーとパンは諦めて、運転を頑張ってくれた日向を労わるためにその背中に腕を回す。


「落ち着く。マジで癒される」

「この三日ずっと一緒にいたでしょ」

「でもあんまりこんな風にくっついてられなかっただろ。だから夕姫不足だったんだよ」


なんてことないように言う日向は、少し身体を話したかと思うとそのままキスをする。
疲れているはずなのに、日向は私にどこまでも優しくて甘い。
ゆっくりと舌を絡ませお互いの存在を味わうようなキスに、気分が高揚していき思わず吸い付くように首に腕を回した。

コーヒーが冷めちゃうとか、せっかく盛り付けたパンがダメになっちゃうとか。
そんなことが全て頭から消え去って、目の前の日向のことで頭がいっぱいになって、他に何も考えられなくなる。


「……夕姫」


合間に不意に名前を呼び私を求めてくれる声が、私の胸をますます高鳴らせた。
唇が離れた時、肩で息をしていた私は倒れるように日向にもたれかかる。


「ははっ……どうした? 疲れた?」

「うん……なんか、胸がいっぱいで……」


身を預けるように日向の鎖骨に額を当てると、頭上で嬉しそうに笑っている声が聞こえた。
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