年上幼馴染の一途な執着愛

プロポーズ

「あら?秋野さん、今日はデート?」

「え?」

「なんか、オシャレしてるみたいだからそうかなーって思って。今日はお迎え?」

「はい。そうなんです」

「いいなあ、最近お迎えの頻度増えた?」

「そんなことないですよ。今日も二週間ぶりくらいです」

「あれ? そうだっけ? 結構噂になってるからそんな気がしたのかな」

「え……どんな噂ですか?」

「秋野さんの彼氏がかなりのイケメンだって噂」

「そうなんですか……」


三ヶ月後。季節はすでに夏の終わり。
まだ残暑が厳しい日々の中、仕事を終えてトイレでメイクを直した私は真山さんにからかわれながら一緒にエントランスへ向かう。


「でも秋野さんが幸せそうで私も嬉しい。一時は本当にどうなることかと思ったから」

「はは……その節は大変ご迷惑をおかけしました……」

「ふふ、いいのよ。秋野さんの幸せな顔見てると私も嬉しいし。二人を見てたらお腹いっぱいになるくらいだしね」

「お恥ずかしいです……」

「いいじゃない。仲良くて羨ましいわ。あ、ほら。噂をすれば」


真山さんに促された方を見ると、


「夕姫」


日向がエントランス前で待っていてくれている。


「日向」


外に出るとそれまでとは比べ物にならないほどのモワッとした生ぬるい空気に包まれて、そんな中で待ってくれていた日向に申し訳ない気持ちが募る。


「じゃあ秋野さん、また明日ね。お疲れ様ー」

「はい、お疲れ様です」


日向に会釈をしてそそくさと帰っていく真山さん。
その表情がニヤけていることは知っているけど、気付かないふり。
また明日からかわれるんだろうなあ……。
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