年上幼馴染の一途な執着愛
「なぁ、そろそろ星夜に報告しようと思うんだけど、どう思う?」


晩ご飯を食べた後、お酒を飲みながらソファに並んで座っていると、日向が私の顔を覗き込んだ。


「うん。私もそろそろかなって思ってた」


お兄ちゃんと美春さんは新生活もすっかり落ち着き、新婚さんとして充実した毎日を送っているようだ。
ただお互い仕事が忙しいから夫婦の時間は限られているらしいけれど。

帰省から帰ってくる日に美春さんと連絡先を交換したため、たまにお兄ちゃんの愚痴が送られてきて笑ってしまう。

お兄ちゃんは私たちの出会いのきっかけをくれた人。
お兄ちゃんが学校で日向に話しかけなければ、今の私たちはいない。
だからこそ、しっかり報告したい。
とは言え地元に暮らすお兄ちゃんと都内にいる私たち。
すぐに会える距離でもない。


「……電話でいいか?」

「うん。いいと思う」


本当は直接言いたいけれど、お盆はお互い仕事に追われ帰省できずにいた。
お盆を過ぎたらお兄ちゃんも忙しいし両親も旅行に行ったりと忙しない。
報告だけならわざわざ帰省しなくても電話で十分だろう。


「でも今日はもう遅いから明日にしよ」

「そうだな。……夕姫」

「ん?」

「こっちきて」


日向が両手を広げてアピールしてくるため、私はゆっくりとその腕の中に身体を預ける。
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