年上幼馴染の一途な執着愛
「お兄ちゃん、びっくりするかな」

「さぁ、どうだろうな。でも驚くよりも俺の執念にドン引きするんじゃないか?」

「ふふっ、執念って」

「だってそうだろ。何年片想いしたと思ってんだ」


悔しそうな表情が可愛くて、その首に手を回して一つキスをする。


「その日向の執念のおかげで、私は今幸せだよ」

「ははっ、俺も。今すげぇ幸せ」



その体勢のまま二人で話したり映画を見ているうちに、気が付けば日を跨ぎそうなくらいに夜が深くなっていた。


「……夕姫? 眠い?」

「うん……ちょっと」

「じゃあこのまま寝なって言いたいところだけど……。今日はもうちょっと我慢できる?」

「……え?」


日向は私の頭を一つ撫でてから、一度身体を離して私をソファの背にそっともたれさせる。
日向はそのまま立ち上がってどこかへ行ってしまった。
睡魔にとろんとしてしまう目をどうにかこじ開けていると、部屋にある時計が午前零時を知らせる。
それと同時に日向が戻ってきた。


「夕姫」

「ん?」

「誕生日、おめでとう」

「……え?」


お祝いの言葉と共に現れたのは、お皿に乗った小さないちごタルト。
瞬きを繰り返して、目を擦ってからもう一度日付を確認した。
言われてみれば確かに今日は私の誕生日だ。
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