年上幼馴染の一途な執着愛
「待ち合わせ場所まで送ろうか? 俺車あるし」

「いえ、迎えにきてくれてるはずなので大丈夫です」

「そう?」

「はい。さっき連絡したのでその辺にいるはずなんですけど……あ、日向!」


エントランスを出て日向の姿を見つけ、大きく手を振る。
私に気がついた日向も手を振り返してくれて、こちらに歩いてきてくれた。


「浅井さん、今日は本当にありがとうございました。お先に失礼します」

「あ、うん……。お疲れ様」


少し驚いたような浅井さんの様子を不思議に思ったけれど、


「夕姫、お疲れ。行こう」


日向に呼ばれて意識がそちらに向かう。


「ごめんね遅くなって。だいぶ待ったでしょ?」

「いや? 俺も近くの店で持ち帰りの仕事してたからちょうど良かったよ」

「そう? ありがとう」


浅井さんにもう一度会釈をしてから日向の隣に並んだ。


「どうせ迎えにいくならって思って、車で来たんだ」

「そうなの?」

「あっちに停めてあるから行こう」

「うん」


日向の案内で向かった近くのコインパーキング。
そこには黒いセダンが停まっていて、驚いてしまった。


「日向の車、初めて見た」

「そういえばそうだな。仕事の時くらいしか乗らないから。ほら乗って」

「うん。お邪魔します……」


助手席のドアを開けてくれた日向にドキドキしながらも、中に乗り込む。
爽やかなミント系の芳香剤の香りが鼻を掠めた。
< 55 / 154 >

この作品をシェア

pagetop