年上幼馴染の一途な執着愛
「でも今日ってバルに行くんじゃなかったの?」


車なら飲めないのに。
私一人だけ飲むわけにもいかないし……。


「遅くなっちゃったからな、バルは次回にして今日は適当に買い物して俺ん家で飲まない?」


エンジンをかけた日向は、私の方を向いて微笑む。
日向の家で……?
それって、もしかして。そういう意味も含まれているのだろうか。
言葉の裏を深読みしてしまいなかなか返事ができない私に、


「ははっ、そんな気負いすんなよ。取って食おうなんて思ってないから」

「ほ、本当?」

「本当。まぁ、下心が全くないわけじゃないし、仮に夕姫から誘われたら手出すと思うけどな?」

「なっ……」

「ははっ、でもお前が嫌がることはしないから安心しろ。約束する」


笑って私の頭を撫でた日向は、


「そういうことだから、そろそろ出発したいんでシートベルトしてください夕姫さん」


なんて、ふざけてからかってくる。


「ご、ごめん。今するから」

「ゆっくりでいいよ」


シートベルトをすると、車はゆっくりと発進する。
移動中、ちらっと運転中の日向を盗み見る。


「あれ、眼鏡……」

「ん? あぁこれ? いや、この間免許の更新したら視力下がってて。眼鏡買ってみたんだよ」


どう?似合う?なんて口角を上げる日向の目元には、見慣れない細身の黒縁の眼鏡。


「うん。似合ってる」


フレームが華奢で、あまり主張が強くない眼鏡。
甘いマスクの日向にはぴったり似合っていて、選んだ日向のセンスが感じられる。
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