可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
(王家の名を嫌い、偽名を使って他国へ逃げていた子供が、彼女のおかげで男になったのだな)
自分の能力を隠し、負わされた責務から逃げることばかり考えていた息子の成長を嬉しく思う。男らしく成長したカイルに誇らしくなる。
カイルは真摯な目でシグラ国王を見つめた。
「しかし、彼女は子爵令嬢でありながら、ヒベルヌス王国で奴隷のような扱いを受けてきました。国を捨て、平民になりたいと言うほどです。この先、彼女の有能さに気がついたヒベルヌス王国が彼女を取り戻したいと考えるかもしれません」
「カイルはどうしたいと思っている」
「シグラ王国に魔導具の普及を進めるために、彼女は大切な存在です」
その答えにシグラ国王は、窺うようにカイルを見つめた。穏やかに細められた目は、カイルの恋心を読み取ってのことだろう。