可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「レモラもルシアと仲良くするんだぞ。ルシアの言うことはなんでも聞いてやりなさい」

 侯爵がにこやかにレモラに命じた。しかし、目の奥は笑っていない。

 そして、レモラの耳元で囁く。

「地下室に入れられたくなかったら、今度こそ逃がすなよ。この娘がいなければ侯爵家は破滅だ」

 レモラは厳しい父から言われ、ブルリと震え頷いた。

「ルシアのために侯爵家に部屋を用意したんだ。今後は、次期侯爵夫人として、ここを家だと思って過ごしなさい」

 侯爵は言う。
< 335 / 458 >

この作品をシェア

pagetop