可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

「お父様、これは……?」

「ルシアの話を聞いてね、まずは屋敷がどうなっているかこっそり確認したんだ。そうしたらめちゃくちゃになっているじゃないか。ちょうどローサとミゼルがジューレ侯爵家で暮らすようになったから、それにあわせて解雇された者たちを呼び戻したんだよ」

 ファクト子爵は苦虫をかみつぶしたような顔で続ける。

「相当、子爵家には興味がなかったようで、侯爵家へ行ってからなんの確認もしないから助かったよ」

「ああ……、ジューレ侯爵家にとても執着してたから、呼ばれて浮かれてしまったのね……」

 ルシアは、ウキウキと子爵家を出ていくふたりの様子が想像できて、思わずこめかみを押さえた。
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