可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~

 カイルは、ジューレ侯爵家よりも裕福そうだった。

 そんなところにルシアが嫁ぎ、ミゼルより豪華な結婚式を挙げでもしたら、ジューレ侯爵家は恥をかかされたと思うかもしれない。

「本当にお継姉様ってだらしないんだからぁ。私、血が繋がっていないとはいえ、恥ずかしいわぁ」

 ミゼルが言う。

「本当に恥知らずで困るわね。面倒ごとばかり起こしてくれて……。子爵も生死不明、侯爵家の婚約者でもない。もうルシアには価値はないわ」

 ローサは呟く。

「どっか行っちゃえばいいのに。目に入るだけでイライラするんだもん。レモラ様だって、ミゼルと婚約したくせに、お継姉様の婚約を許さないとか言い出して……ミゼル、安心できないわ」

 ミゼルが唇を尖らせて言った。
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