可愛げがないと捨てられた天才魔導具師は隣国でのんびり気ままな工房生活を送ることにしました!~念願の第二の人生、思う存分ものづくりライフ!~
「この村で暮らすなら、少しは暮らしが楽になるお手伝いができたらいいんだけど。魔導具で足のかわりになる者とか作れないかな?」
ルシアは呟いた。
<あいかわらず物好きだな>
ウルカヌスは笑った。
しかし、ルシアたちの乗った馬車は、なぜか村では止まらず、そのまま鉱山へと向かっていく。
「え? ここじゃないの? どこまで行くつもりかしら?」
ルシアは小首をかしげた。
馬車は古い横穴がたくさん空いた山道にさしかかった。坑道への入り口、坑口(こうぐち)である。
魔晶石の採掘で出た岩石廃棄物が、隣国側近くに乱雑に積み上げられ、ボダ山となっていた。
この岩石廃棄物には僅かながらではあるが魔力が混ざっており、刺激を受けると自然発火などすることがある。しかし、いかにも管理は適当そうで、ルシアは眉を顰めた。