先輩!


でも、先輩が乗っていたタクシーとは限らない。

虎太郎と励まし合い、なんとか気持ちが落ち着いたところだ。


「何か面白い話しろよ」

一つの駅を止まらず通過したころ、虎太郎が唐突に提案してきた。


「こんな時に何も浮かばないよ」

「こういう時こそすべらん話するべきだろ」

「そんな鉄板ネタないよ」

「あーだったら、久保課長の話聞かせろよ。告白はどっちから?」

「先輩から」

「は?お前ふざけんな。なに久保課長に告白なんかさせてんだよ。何様だよ」


けっこう本気トーンで怒られるから笑ってしまう。


今こうして先輩に会いに行けているのも、なにもかも、虎太郎のおかげだ。
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