先輩!
「髪似合ってる。かわいい。かわいすぎてびっくりした」

「先輩、え、え、」

「もう俺の気持ちばれたし、思ったこと我慢せずに伝えるから。どれだけ俺が佐々木のこと好きか、遠慮せずに口にするから」


朝一の急襲に対応できずテンパるわたしにお構いなしに先輩が続ける。


「俺を意識して。そして好きになって。なあ、返事まだ?」

「先輩、土曜日にLIMEでもお伝えしましたが、少し待っ」

「少しってどのくらい」


先輩はそこまで言って吹き出した。「わるいわるい」と言うくせに、そんなそぶりは全くない。
< 29 / 349 >

この作品をシェア

pagetop