花咲くように 微笑んで
(身体が熱い。しんどいな…)

眠りの中でぼんやりと考えていた菜乃花は、額を優しく撫でてくれる大きな手にホッとして息をつく。

(誰だろう。優しくて温かくて、凄く安心する)

そう思っていると、小さく呟く声がした。

「頑張れ。必ず俺が治すから」

(治す?私を治してくれるの?)

うっすらと目を開けると、心配そうに誰かが自分の顔を覗き込んでいるのが見えた。

視界がぼやけて、誰なのかは分からない。

「せん、せい?」

荒い呼吸の中、問いかけてみる。

「大丈夫。何も心配しないで、ゆっくり眠って」
「はい…」

菜乃花は小さく答えてから、また眠りに落ちていった。
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