花咲くように 微笑んで
「三浦先生!おはようございます」

朝になり、ERに顔を出した三浦に、看護師長が挨拶する。

「おはようございます。彼女の容体は?」

部外者ゆえに居座る訳にもいかず、仮眠室で一睡もせずに過ごした三浦は、どうにも気になって勤務時間前に菜乃花の様子を見に来ていた。

「夜中に熱発しましたが、今は落ち着いています。宮瀬先生がずっとつき添って看病していました」
「そうですか」

今も菜乃花のそばを離れない颯真と、思い詰めたように颯真を見つめる三浦を、師長は交互に見比べる。

どちらを見ても、切なさが伝わってきた。

「それでは、よろしくお願いします」
「あら、彼女に声をかけなくても?」
「ええ。大丈夫です」

寂しげにそう言うと、三浦は足早に部屋を出て行った。
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