compact
彼は、龍輔くんという名前で
龍くん、と呼ぶことにした。

「なんで、私の会社の前から
電話してきたの?」

「あ…会えるのかなって…。」
「…こんな時間に…?」
時計を見たら22時を過ぎていた。

「明日の朝も、コーヒー淹れてくれる?」
と明日朝コーヒーショップで働くのか
なんとなく聞いてみた。

「はい。」
と爽やかに笑った龍くんは
なんだかまぶしかった。

「亜葵さんも電車ですか?」
「私はすぐそこだから。家。
じゃぁ、また明日ね。」
と手を軽く振ってみた。

龍くんが何かを言おうとしたけど
私は静かに背を向けた。
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