姫を追放された私は一筋の光に救われた
「雪菜が俺の姫になったってことはつまり襲ってもいいってことか?」


「なんでそうなるんですか!?」


真剣な顔をするから何事かと思ったら、唐突に凪さんが変なことを言い出した。

こういうとき、私はどう言えば正解なの?


雪菜(せつな)はゼウス組の飾りなんかじゃない。俺の恋人なんだ。だったらキスの一つでもしないと勿体ないだろ」


「勿体なくないですよ。それに、」


「なんだ?」


「明日からもずっと一緒のお家なら、キスだって好きなタイミングで出来ますし」


我ながら恥ずかしい発言。
穴があったら入りたい。


「俺はお前を離さない。だからキスしてもいいか?雪菜、嫌だったら断れよ」


「……んっ」


私は目を瞑り受け入れる体制をとった。凪さんは察したかのように私に近づき、私は凪さんとキスをした。


「雪菜の唇、甘いな」


「味はしないと思いますけど」


私のファーストキスは凪さん。心から好きな人と初めてを出来て、幸せで足が地に着いてない。ずっとフワフワしてる。
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