あの頃のきみに栞を。今のきみに僕を。〜夢はきみと結婚すること〜
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「はっ、くだらない。もうどうでもいいわ」
と言って出て行こうとする水樹さんを今度は誠くんは止めた。
「まだ逃さないよ」
「は?もう関係ないでしょ。バレたんだから」
「みきちゃんにしてきたこと謝ってないよね」
「謝らないわよ。私も被害者なんだから。むしろあの子の嘘を助けてあげようとしたのに。てか、巻き込んだのはそっちよね」
「もういいよ、誠くん。私のせいだから」
もういい。
その通りだから。
それにやっと本当のことを言えたから。
それだけでいい。
「ダメだよ」